ぱにぽにオブ・ジ・イヤー」に参加してきた。氷川へきる氏の漫画「ぱにぽに」のカルトクイズ大会である。
参加者は遅刻も含めて14名。会場の広さはちょうどいいくらい。カルトクイズ大会だからか、席の上がやたらと暖色系の色で占められていた。(注:コミックスの表紙の色は黄と橙)


最初はペーパー。漫画メインの問題であるためか、あまり解けない。さらに、ストーリーに関する問題が多いため、劇中の固有名詞のチェックをちょっとだけしたくらいの私にとっては難しい問題だった。考えてみれば漫画を文字通り「読み込んで」いるような人ならすぐに答えられたであろう問題なのだから、自分が甘かったということ以外の何物でもない。
結果は200点満点で30点。平均点が50点台なのだから相当下位である。


次はコース別で、3コースから2つを選ぶ。最初は7○3×で、私はここから参加。
1問目。出題者が問題を出題する際に、「それでは第一問!」と妙に強調していたのが気になったため、「ブタの血」と答えたら見事に正解。一問目から耐え切れずに爆笑した。さすが企画者、こんなところからネタを仕込むとは恐るべし。
ちなみに元ネタは下の通り。

ジジイ「いきなりじゃが高校生クイズ大会に出場しようではないか」
ジジイ「それでは第一問!! 『映画キャリーでキャリーにかけられた液体は何?』」
ジジイ(ボタンを押して)「はい!! おじいちゃん先生!!」


ジジイ「ブタの血……」


ジジイ「なーんつって出れたらいいのぅ……(ククク)」
生徒「何があったんだろう……」
氷川へきるぱにぽに(5)」)

その後は上位4人が一気に他を突き放す展開に。中盤で早々と一人が抜け、残る3人が5○で並び、誰が勝ちぬけてもおかしくない状況。こういう展開は盛り上がって良いよね。結局勝抜けは一人だけだったが、スピード感溢れる試合運びで、周りのレベルの高さを実感させられた。
私は1問目の後は「女神転生」を誤答(「メディア」は「女神転生」の回復魔法にちなんでいる)。そして「ブロッコリー、レモン、ターキー」(ベッキーの姉のBLTサンドの中身)をなんとか正解するも、7○には程遠く規定の問題が終了。


続いて参加したのはアタサバ風クイズ。
まず3択クイズで攻撃力を決め、正解すればそのぶんだけ他の人のポイントを減らせるというもの。3択の札に使われたのはDVD購入特典のトランプ。芸が細かい。
アタサバということで、誤答を避けつつ正解を出さなければならないのだが、相変わらずアグレッシブな押しが展開された。上位層の先読みの技術は半端ではない。シーンを指定した時点で押してくるものだから、どれだけ読み込んでいるかも分かろうというもの。
私はここでは「金の人体模型、銀の骨壷、銅の不倫小説」(「宮本研究室」が出来たときに一条さんが持ってきたお祝い)だけしか正解できなかったものの、これのおかげで4位通過だったため、ドライバーズポイント2pを獲得した。


続くコース別三つ目は観戦にまわったのだが、こちらもかなり白熱していた。人によって得点の変化が変わるというシステムで戦略面が重視されるだけに、作戦が巧くいったり逆に裏目に出てしまったりで中々飽きない展開だった。
さて、ここで準々決勝に進めるのは12人。14人で12人なのだからあまり意味がない気がしないでもないが、これは会場の都合。私はなんとか通過できたが、順位は12位。すなわち最下位。しかも次点と2p差だった。コース別で2p獲得できなければ落ちていたわけである。つくづく運がいい。言い換えれば「俺は弱いなぁ」ということか。しかし敢えて言っておきたい。
「私が弱いんじゃない、他の人が強すぎるんだ」。知識面でも、早押しの面でも。


準々決勝は早押しボード。とにかく押すポイントが早くて、答えの見当がつかない問題が続出。仮に意味は分かっても答えは分からないということで、もうどうにもならない。こちらも上位層が淡々と点を積み重ね、上位3人は下位と「一桁違う」世界の争いに突入していた。
私はといえば、2問目「獅堂開」(第一回学力テストで学年1位の生徒。順位表に名前が出てくるだけ)はヤマが当たって正解。しかし、この問題の他の人の正答率が高くて戦慄を覚えた。その後はまったく答えられず、まさに盲点を突かれている状態。最後まで聞けば分かる問題も、そんなところまで行かずに押されてしまうので手も足も出ない。
そんなわけで凹みつつ迎えた9問目。
「もともとはシリーズ構成を担当していた金巻兼一氏が乗っていた〜」
昨日のエントリーを見れば明らかなように、昨日晒した問題と同じフリである。そんなわけだから、「これはもらった」ということで喜び勇んで問題の先も聞かずにボタンを速射。そして「ミゼット」(アニメ11話で五十嵐先生が6号さんを乗せた車)と回答。
ところがここで×の判定。
というのも、アニメでは「ミゼット」ではなく、「ミジェット」という名前で登場していたから。そうか、それなら仕方が無い。まあ、きちんと発音まで確認しておかなかったからねえ。
と思ったところで会場から「ガイドブックでは「ミゼット」という名前になっている」という指摘があったために一転して正解扱い。調べてくださった方、ありがとうございます。そんなこんなでボーダーラインに浮上。その後は一問も正解できなかったものの、正解したのが上位層だけだったため、そのまま準々決勝も勝抜けということになった。
ここでは面白い問題はいろいろあったのだが、個人的には「ジョン」(アメリカンスクールの生徒)の名前が出てこないのが悔しかった。本編では名前は登場しておらず、おまけ漫画で名前が判明したのだそうで。顔は出てくるのに名前がまったく思い出せないものだから、まさに悶絶。


準決勝は通過クイズ。
どう考えても運だけで勝ち残ったものだから、勝てるわけは無いとは思っていたものの、せっかくここまできたのだから楽しもうと思って参加した。
ここでは、まず優勝候補が10問目にして早々と通過。さらに14問目で二人目も通過。のこる枠は1つだけなのだが、私はまるで答えられなかった。力量の差が歴然としている。
その後、私は「高野八誠」(実在の男優。柏木優麻が好きな俳優)を誤答。数問後に「ダン・エイクロイド」(実在の俳優。「ゴーストバスターズ」に主演したため、夜中の学校見回りのシーンの台詞に出てくる)を正解したものの、時既に遅し。21問目にして3人目が勝抜けし、100問用意されていた通過クイズはあっけなく終了した。
まあ、勝ち抜けた三人は強すぎる。勝ち抜けるべくして勝ち抜けたといえる。読み込み方が違うもの。勝ち抜けた三人のうちお一方が私の前の席だったのだが、1000問を軽く越える対策問題を記したメモを持参していた。その時点で実力差ははっきりしている。


ここからは観戦にまわって、決勝はボード+早押し。最初のボードはさすが決勝ということで、相当難しい。しかし分かる人にとっては分かる内容だったのか、トップが10問中5問正解。おそるべし。10問目の「この大会でアニメ第24話の問題が出てこないのは何故?」という問題にはとぎもを抜いた。そういうことだったのか、せっかく「新・必殺ぱにぽ人」の前口上あたりを覚えてきたのに。とにかく、間違って決勝まで行ってしまわないで良かったと思う。
決勝の早押しは瑣末な問題というよりはストーリーがらみの問題。細かい設定などを聞く問題は殆ど無く、劇中の台詞を言わせたり、実際にやってみたりするような問題が多かった。カルトQというとどうしてもマニアックな固有名詞に拘りがちになるが、個人的にはこういう問題のほうが好きである。「カルトクエスト・ウルトラマン編」の巻末の言葉にも似たようなことが書いてあったけれども、単純に瑣末な事項を覚えていれば良いというものでもあるまいし、個人的には瑣末なことよりストーリーの横断的な内容を知っているほうがカルトらしいのではないかと思う。何故ってパロディを書くときに役に立つのは細かいデータより台詞のほうだもの。
閑話休題。膨大なネタを含みつつ進行した早押しは、一進一退というよりはお一方が一気に得点を伸ばして残る二人が猛追するという形になった。しかし予想通りのお一方が最後まで逃げ切り、ウィニングアンサーは「さよなら、人類」(キャンプのエピソードで最後に都が言う台詞)。一問早まっていたら「ロート、ロート、ロート、ロート、ロート、ロート、ロート製薬」(ピーチムーンのロゴが出るときの歌)になるところだった。優勝商品は「桃月」だけに「桃付き」ということで、さる有名店の桃。こういうところできちんとオチを付ける企画者に感服。


その後、余り問題の流しとなった。余りといっても、準決勝がスムーズに終了したこともあって200問くらいある。
それに参加していて「ああ、これは勝てんわ」と気が付いた。とにかく私以外の人の読み込み量が違うし、押すポイントも相当早い。さらに、会場の突っ込みのレベルがやたらと高い。運の良さだけで勝った私にとってはもはや未知の世界。結局一問も正解できなかった。


ということで終わったわけだが、何をおいても企画者の方、本当にお疲れ様でした。久しぶりの大会だったのだが、これだけ面白い企画はそうそうない。企画者の力量冴え渡る大会だった。

「そうだなぁ……うん、メチャメチャ楽しかった!」
(「ぱにぽにだっしゅ!」第17話「天道は親なし」)