先崎学「最強の駒落ち」(講談社現代新書


将棋には実力差のある相手と指すときに「駒落ち」というルールを適用することがある。名前の通り、最初の盤面で上手が何枚か駒を落とすのである。「二枚落ち」なら飛車と角行、「四枚落ち」ならさらに香車といった具合に、実力差に応じて落とす駒の数は増えていく。
これは、そうした「駒落ち」対局の方法について論じた本。
たとえば冒頭の「八枚落ち」の灘流戦法はなかなか面白い戦法だった。まともに使える駒が金しかない上手でも、6五歩に5四金として金を前に出して、さらに4四歩。そこから玉を上段に進めていけば棒銀に対処できるというものである。
私の場合、駒落ちを指した経験が殆ど無いので、役に立つというわけではないのだが、いろいろな戦法を見られるのは面白いものである。