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「みなみけ」(桜場コハル/講談社) ★★★☆☆+0.5
どう面白いのかと聞かれても説明に困るたぐいの漫画。でも面白い。
雰囲気は「あずまんが大王」に似ていると言えよう。大きな出来事が起こるわけでもなく、ただ淡々と主人公たちの日常が描かれているところなど、確かにそうだ。
強いていうなら、理想像としての生活を描いているから面白いのだろう。ギャグによる面白さと言うよりは「こういう生活が良いですのう」という感覚を表現しているような……などと分析もどきをしてみる。
ちなみに「みなみけ」とは「南家」のこと。
「魔法遣いに大切なこと 太陽と風の坂道(1)」(山田典江・よしづきくみち/角川書店) ★★★☆☆+0.5
「 同 (2)」 ★★★★☆
「魔法遣いに大切なこと」の新シリーズ。前回は岩手から上京してきた研修生が主人公だったが、今回は研修に行くかどうか決めきれないでいる長崎の高校生が主人公。
作者は方言に思い入れがあるのだろうか……もっとも、当方の出身地と長崎は地理的に近いので、言葉がわかりにくいという事ではないのだが。
それはさておき、ストーリーは二巻の時点で中盤あたりか。主人公が魔法遣いとして立派に成長していくさまを描こうとしているところは読み取れるので、そこでどうストーリーを展開させていくかと言うことになるだろう。
前作もそのテーマで描かれていたわけだから、「魔法」という(少なくとも空想世界においては)ありふれた題材に対する、前作とは異なる解釈に注目していきたいところである。
「量子コンピュータと量子暗号」(西野哲朗/岩波書店)
整数の因数分解を簡単に行うための「ショアのアルゴリズム」をネックに、量子コンピュータと暗号について簡潔にまとめている本。
ここにきて量子論の授業が生きてくるとは思わなかった。うーむ。