前半は名言・名フレーズ・俳句・キャッチコピーなどの様々な「一行」を取り上げたエッセイ、後半はキャッチコピーの作り方講座、という実践的(?)なエッセイ。
途中で「スモカ」(※大正時代に販売開始した喫煙者用の歯磨き粉)の広告の話題が取り上げられていたので調べてみたら、現在も存在する企業なんですね。公式サイトに当時の広告ギャラリーがあったのでリンクを張ってみます。
片岡敏郎のギャラリー広告集
片岡敏郎といえば、「赤玉ポートワイン」の広告でクイズ的にも有名な人物。この広告も一つ二つなら驚きはしませんが、「喫煙者用の歯磨き粉」というテーマだけで数千本のコピーを産み出したんですから、驚くほかないというものです。

世界の公共広告について豊富な図版を用い、テーマごとに紹介してあります。一通り読んでみてしみじみ思うのは、日本と比べて海外の公共広告はストレートでショッキングな内容のものが多いということ。別の本で以前読んだところによれば、様々な思想を持つ人が集まる国ではストレートにテーマを表現する広告でなければ効果が無いのだそうで、それはそれでもっともなことだと思うのですが………ううむ。

子供を対象にした事典なのですが、さすがは荒俣氏、大人が読んでも楽しめるような内容になっています。「妖怪」やら「ミイラ」やら「神代文字」やらが項目になっているのもポイント。