飯沢耕太郎「写真美術館へようこそ」(講談社現代新書


著者が美術館の館長となり、訪れた客に写真の歴史を紹介するという内容。単に歴史的な流れを追うだけではなく、「鏡・肖像・裸体」「風景・モノ・都市」などとジャンル分けしたうえで説明しているため、予備知識があまりない私のような読者でも体系的な理解はしやすい。もちろん図版も豊富である。
また、「トリビアの泉」に取り上げられたアントニオ・ベアトの「第二回遣欧使節一行」*1など、トリビアの面から見ても面白い写真がいろいろと紹介されていた。ダイアン・アーバスの「双子」はスティーブン・キングの「シャイニング」に出てくる双子のモチーフになった写真だよね。久しぶりに観た。


で、この本を読んだ後でニュースサイトを回っていたらこんな記事を見つけた。エドワード・スタイケンの写真が3億円で落札されたそうで。
http://www.cnn.co.jp/fringe/CNN200602150033.html
綺麗なのは分かるが、とんでもない値段がつくものだな。

*1:スフィンクスの前に武士が並んでいる構図の写真