古くから伝わる迷信について歴史を紐解いて解説した本。「四月馬鹿」「一富士二鷹三茄子」のように有名なものから、「悪魔の糞」など最近では耳にしないような話題も多く、なかなか興味をそそられる。迷信賛歌というわけでもなく、貝原益軒の「養生訓」にある食べ合わせの迷信のデタラメ振りを指摘するなど、なかなか辛口である。豚肉に生姜の取り合わせが悪いというのはいくらなんでも納得いかない。豚丼に生姜のせたら大病になるということだものな。別に「養生訓」そのものがダメだといいたいわけではないが、鵜呑みにするのはダメだろうね。あの本は食事の質の重要性を指摘するなど、参考になるところは多いのだけれども。
個人的にもっとも気になったのは下の引用箇所。

人間の連想能力には限界がある。千人の正常者についての実験では、たとえば「暗い」という刺激語に対して連想してくる言葉は八百人において七種類の言葉より以外に出なかった(小熊虎之助「心霊現象の科学」(芙蓉書房)

迷信とは余り関係ないが、これはなかなか重要な指摘だと思う。そういえば思いつかないね。「暗い」とくれば「部屋」くらいしか思いつかない。

某誌に載っていたのに影響されて購入してみた。啓文堂には無かったので、困ったときのアニメイト、ということで行ってみたら平積みになっていた。本当にあの店は良く分からない。
まあ、そんなことはどうでもいい。作品そのものについていうなら、ギャグ漫画としてのクオリティは高い。しかしネタが若干危険である。自分の経験を基にして書いているそうだが、幻想のぶち壊し一直線である。そこが面白いからいいのだけれども。