上野の「国立科学博物館」に行ってきました。
目的は「化け物の文化誌展」。
科学博物館で化け物の展示というのはどうにも場違いな気がしないでもないですが、懐が深いということなのでしょう。場所が場所だけになかなか気合の入った展示になっていました。
順路に従って最初の部屋に入れば先ず天狗関連の展示がお出迎え。そこから先に進めば古い書物に登場する化け物についての紹介があります。『和漢三才図会』に人魚や河童が描かれているあたり、時代を感じさせますな。当時は河童などの存在が真面目に信じられていたことの証拠なのでしょう。さらに先に進めば古文書に登場する化け物や、化け物の遺品などが数多く展示されているわけですが、中でも目を引いたのは人魚のミイラ。実物を見たのは始めてでした。思わずしばらく見入ってしまいました。そして怪談の絵巻物も外せません。某所の影響で本所七不思議の「足洗い」の絵が面白くて面白くて。
二番目の部屋は科学史の面からアプローチをしていて、江戸時代〜近代の化け物がらみの学問や文献について紹介してあります。ここでは『遠野物語』の原本があったり、寺田寅彦の展示があったりと見所は多いのですが、『稲生物怪録』の原本があったのには驚きました。いやはや。