福田繁雄福田繁雄のトリックアート・トリップ」(毎日新聞社


日本のトリックアートの第一人者である著者が世界中を旅しながら見つけたトリックアートの数々を、膨大な量の写真を交えながら解説していくという著書。これは名著といっても過言ではありません。
最初に出てくるのはフランス・パリにある一見どこにでもありそうなビル。ちょうど壁面にはバッハの肖像画が描かれている真っ最中で、ペンキ屋がはしごに登ってバッハの顔をペンキで塗っています。ところが近づいてよくよく見てみるとペンキ屋もイラスト、はしごもイラスト、そう、「バッハの肖像画を描いているペンキ屋」そのものが絵なのです。まさに遊び心。
よくもまあ、これだけの物を作ったと思いますし、これだけの数を見つけ出したものだと思います。まだまだ世の中には知らないものがありますね。
ところで「福田」という苗字と「トリックアート」という言葉に妙に引っかかるものがあって調べてみたら、画家の福田美蘭の父親でした。この父にしてあの娘あり。