釣崎清隆「死体に目が眩んで」(リトルモア
「死体写真家」である釣崎清隆のエッセイ。死体王国ことタイ・バンコクでの取材日記から始まり、コロンビア、モスクワなどを経由して最後は日本に戻ってくる。死体の写真を撮るのが仕事なのだから、レスキュー隊に同行したり事件現場で警官に掛け合ったり。
タイのレスキュー隊の仕事っぷりは凄いものがある。連絡があったと同時に同業者が一気に押しかけるからレースのようになるのだそうで。死体の回収が功徳に直結するといわれれば、争いが白熱するのは良く分かるのだが。
で、この人は日本でも個展を行っているのだが、そうすると色々と変わった人が来るそうで。現実のそれと違って、写真だけなら勝手に幻想を持つことも出来るからね。ネクロフィリアは置いておくとして。

古今東西、死体が好きな奴はいるが、死体を知らない死体好きがいるのは現代日本だけではないだろうか。

ごもっとも。