惑星大怪獣ネガドン
監督:粟津順


当初は話題を見かけるに留まっていたのだけれども、M氏からのメールで見る事を決め、今日になって行ってきた。
この映画、タイトルを見れば分かるとおり怪獣映画なのだが、ちょいと他の作品とは一線を画す。第一に、全編フルCGである。風景まで含めて実写ではない。第二に、個人製作である。一昔前に新海誠の「ほしのこえ」が話題になったけれども、あの作品とおなじカテゴリーに入るわけだ。
上映時間が25分ということもあって、ストーリーは分かりやすい。

昭和百年(西暦2025年)を迎えた近未来。
世界人口は100億を超え、国際規模の宇宙開発事業【火星テラフォーミング計画】が行われていた。
そんなある日、火星から帰還途中だった宇宙貨物船【いざなみ】が日本に墜落。
積載されていた怪獣ネガドンが目覚めてしまう!
破壊本能しかない冷血凶悪な殺戮型宇宙怪獣、ネガドン
人類はヤツを倒すことができるのか!?
絶望的な状況の下、一人の中年男・楢崎龍一(ならさきりゅういち)が立ち上がる。
彼こそは10年前に実験中の事故で娘を失った伝説のロボット工学の権威だった。
亡き娘との約束、そして科学と人類の未来を守るため、未完の人間型汎用歩行重機(ロボット)【MI-6(ミロク)二号機】で出撃する楢崎。
かくして、楢崎とネガドンの天地をも揺るがす壮絶な死闘がはじまる!!
(『惑星大怪獣ネガドン』公式サイト
http://www.h2.dion.ne.jp/~magara/project.htmlより引用)

監督によれば、とにかく戦闘シーンを作りたかったとのことで、ドラマ面もありながらも、戦闘シーンが多めになっている。純粋に怪獣映画と言って良い。単にCGを使った作品ということであれば、子供向け作品に前例はいくらでもあるが、ドラマも含めて実写風であるところが面白い。




さて、今日は大学が早めに終わったので、早めに行ってみたのだが、結局先頭で並ぶということになった。ま、だからといって特典があるわけではないのだが。
その後二時間ほど待って入場して、前の方の席を取ったら、ステージに三つ椅子が並んでいるのに気付く。そう、今日は東京での上映が最終日ということもあって、監督へのインタビューから始まったのである。今日は監督に加えてスペシャルゲストがいるとのことで、誰かと思えば「とくダネ!」などで見かける笠井信輔アナ。さすがにプロということもあって、インタビューを滞りなく進めていった。ちなみに笠井アナはゴジラ作品にアナウンサー役とエキストラ役で二回出演したことがあるそうで。


そして本編。最初は主人公の博士のドラマで、途中から怪獣のシーンになるのだが、この間に使われるCGのクオリティの高いこと。2年がかりとはいえ個人製作でここまでできるとはねえ、と言いたくなるリアリティを兼ね備えていた。単にリアルなだけではなくて、昭和風テイストを維持しつつ、CG化しているあたりが面白い。登場するロケットなども、妙に古くさい。そしてそこが良い。特に戦闘シーンは圧巻。とにかく派手なこと派手なこと。結末はネタバレになるので描かないけれども、しっかり描くところは描いた作品であったように思う。ストーリーが唐突といえば唐突なのだが、25分で詰め込んでいるのだからそれに文句を言うのは野暮というもの。ここは映像の面白さを楽しめばいいのではなかろうかと。


それにしても、久しぶりに面白い映画であった。