三田誠広「天気の好い日は小説を書こう」(集英社文庫/S)
小説の書き方をテーマにした、著者の早稲田大学における講義録。
天気の悪い日に作品を書いても暗いことしか書けないから、天気のいい日にこそ小説を書くべきだ、というのが著者の主張。それは尤もだと思う。
著者が純文学中心の人であるから、当然そこに視点を持ってきた説明である。文学論と小説作法の折衷といったところか。本そのものが薄いのでちょっと物足りない感もある。